自然災害によりもっとも大きな打撃を受けるのは、貧しい人々や地域です。災害が発生すると、飢餓と栄養不良がより深刻化し、人々はさらなるリスクにさらされます。このため、防災は国連WFPにとって最優先事項です。
国連WFPは、2015年3月14日~18日に仙台市で開催される第3回国連防災世界会議(WCDRR)に参加します。
災害と飢餓の関係について、いくつかの重要な事実をご紹介します。
- 世界で食糧不足に苦しむ人々の8割以上は、自然災害が発生しやすく、環境悪化が深刻なレベルにある国で暮らしています。
- 世界人口の1割以上(9億8,000万人)が1日1.25米ドル未満で生活しています。それらの人々の多くは農村地域に住み農業を営んでおり、増大する災害リスクに直面しています。
- 気候関連の災害の結果、2050年までに、飢餓および子どもの栄養不良は最大で20%増加する可能性があります。
- 開発途上国における身長のばらつきは、その20%以上が、環境要因(特に干ばつ)によるものです。
- バングラデシュでの調査によると、洪水後に未就学児の間で衰弱や発育阻害(年齢の割に身長が低いこと。慢性的栄養不良の代表的な症状)の割合が増えることが分かっています。これは食糧が手に入りづらくなること、適切なケアの提供が難しくなること、そして汚染物質にさらされる確率が高くなることが原因です。
- フィリピンでは過去20年間に、台風の襲来時に亡くなった子どもの数よりも、台風発生後24カ月以内に亡くなった子どもの数の方が15倍多くなっています。また、そのほとんどが女児でした。
- 干ばつが発生すると、食事内容が単調なものとなりがちで、全体的な摂取量も減少します。ニジェールでは、生まれた場所に関係なく、干ばつ時に生まれた子どもたちが1歳から2歳の間に栄養不良になる確率は、そうでない場合とくらべて2倍以上です。
- 増大する災害リスクと気候変動に対して、社会的弱者が強靭な地域社会を構築できるようにしなければ、私たちが生きている間に飢餓をなくすことはできません。