第3回国連防災世界会議(3月14日~18日、仙台市)では、防災に向けた新たな世界的枠組みを策定し、今後の10年間で政府とドナーが取り組むべき優先課題と資金調達について協議が行われます。この会議は、今後の世界の持続的な発展や繁栄のために各国が集結し踏み出す、最初の一歩となるものです。国連WFPは飢餓の撲滅に重点を置き、各国や参加者が決意を新たに確実な成果を生み出せるよう、支援を行っていきます。
災害は耕地の喪失や農業生産量の減少などをもたらし、その影響で飢餓のリスクが高まり、食料システムの崩壊が加速します。何百万人もの社会的弱者が、慢性的な食糧不足と貧困という窮地に追い込まれていくことになります。
国連WFPは、新たな枠組み内でも引き続き、食糧安全保障と栄養支援が重点分野として正式に取り扱われるよう働きかけます
同会議では、防災に向けた新たな世界的枠組みを策定し、「兵庫行動枠組2005-2015」(2005~2015年の国際社会における防災活動の基本指針。2005年に神戸市で開催された第2回国連防災世界会議で採択された)の成果をさらに前進させていきます。新たな枠組みは、2015年以降の開発と人道分野に関するアジェンダを構成する最初の重要な要素です。
このアジェンダでは開発と人道分野に関する基本方針が明示され、国連WFPは少なくとも今後10年間、その枠組みの中で飢餓の撲滅に取り組むことになります。これには、2015年9月にニューヨークで採択される予定の「持続可能な開発目標(SDGs)」や、同年12月にパリで開催されるCOP 21で締結予定の、気候変動に関する合意も含まれます。さらに、2016年前半には、世界人道サミットで国際的な人道支援の枠組みについて再検証が行われます。
防災は、国連WFPの責務および使命において2番目に重要な活動目標です。国連WFPは他の国連機関とともに、国連システムの中で防災に対するより広範なアプローチを行っていきます。特に、新たな枠組み内でも引き続き、食糧安全保障と栄養支援が重点分野として正式に取り扱われるよう働きかけます。
社会的弱者が強靭な地域社会を構築し目の前のさまざまなリスクに対処できるよう、取り組みや投資を拡大しなければ、飢餓の終わりは見えてきません。国連WFPの支援を受けているような、食糧不足に苦しむ世界の人々の8割以上は、災害が発生しやすい脆弱な地域に暮らしており、災害の影響を受けています。
国連WFPは年間最大3,000万人を対象に、防災関連の支援活動を行っています。災害がもたらす打撃の軽減や対処に焦点を合わせたプログラムと取り組みでは、緊急事態への備えや対応から、長期的な復興作業、政府の能力強化までを行っており、国連WFPの活動の重要な部分を占めています。